科学夜話@喫茶岐れ路は、科学コミュニケーション研究所(さくり)が主催する対話のイベントです。
・プレゼンターのご紹介
永山國昭さんは、生物物理学の研究を続けながら、1997年に英国王立研究所でファラデー以来の伝統を持つ金曜講話を行ったことがきっかけとなり、科学技術振興機構(JST)の科学技術理解増進事業に招聘され、黎明期の科学コミュニケーション(科学コミュニケーション1.0)を担った科学コミュニケーターのひとり。現在は、Life is small Projects代表として、モバイル顕微鏡を活用したシティズンサイエンスを展開し、新たな科学コミュニケーションの可能性を探求している。
・プレゼンターからのメッセージ
ファラデーは、クリスマスレクチャーを通じて市民に科学を語り、感動を与え、人々の理解と支持を得ました。レーウェンフックは、専門教育を受けることなく、顕微鏡を自ら制作して身の回りを観察し、ミクロ世界を発見して世に知らしめました。私は、一物理学者として、彼らと時空を超えた対話を続けながら、科学と市民をつなぐ活動を続けてきました。もちろん、私からみなさんにお話しできることは、ごく個人的な体験と思索の軌跡に過ぎないものです。しかし、それを今という時点から振り返り、時代の流れの中で捉え直すことで、みなさんと一緒に、これまでとこれからの科学コミュニケーションについて考えてみたいと思います。とりわけ、これまで科学コミュニケーションに携わってきたけれど、複雑化する科学と社会の関係の中で壁を感じている方、科学コミュニケーションに関心はあるけれど、初めの一歩を踏み出せないでいる方に、この科学夜話が「私の科学コミュニケーション」を見つける一助になれば幸いです。